ライブコマース機能があるECカート

オンラインショッピングの体験を変える「ライブコマース」が、EC市場で注目を集めています。ライブ配信を通じてリアルタイムに商品を紹介し、視聴者がその場で購入できる仕組みは、ECサイトに新たな販促の可能性をもたらします。

本記事では、ライブコマース機能を搭載している主要なECカート「SHOPLINE」「futureshop」「ecforce」の特徴を比較し、どのようなビジネスに適しているのかを解説します。

ライブコマースとは?

ライブコマースとは、ライブ配信とECを組み合わせた販売手法です。配信中に商品の魅力をリアルタイムで紹介し、視聴者はそのまま購入手続きへ進めます。テレビ通販のインタラクティブ版ともいえるスタイルで、「視聴」「接客」「購買」がシームレスにつながっているのが特徴です。

導入メリットとしては、購入率(CVR)の向上、商品理解の促進、ブランドへの親近感向上、SNSとの連携による拡散効果などが挙げられます。これらの点を重視し、ライブコマース機能を標準またはオプションで備えるECカートが増えてきています。

SHOPLINEのライブコマース機能

SHOPLINEは、アジア圏を中心に急速に成長しているクラウド型ECプラットフォームです。その中でも注目されているのがライブコマース機能です。

この機能は、Instagramのライブ配信とSHOPLINEのカート機能を連携させ、配信中に紹介された商品をそのまま購入できる導線を作るもの。視聴者はライブ中に「商品を見る」→「購入する」までをワンストップで完結でき、購入機会を逃しません。

また、管理画面からライブ配信のデータ分析も可能で、どの商品が注目されたか、どの時間帯に視聴が増えたかなど、マーケティング施策への活用も期待できます。SNSとの親和性が高いブランドや、スマホ中心のユーザー層をターゲットとする企業に最適です。

futureshopのライブコマース機能

futureshopでは、「Live cottage(ライブコテージ)」というライブコマース専用機能を提供しています。特長は、ECサイト内にライブ配信と購入機能を統合できる点にあります。

Live cottageでは、配信画面上に商品情報・購入ボタンを直接表示することが可能。ユーザーはライブを視聴しながら、ページ遷移なしで商品購入ができ、離脱リスクを大幅に軽減できます。

また、ライブ中にチャット機能を使って質問できるため、リアルタイムでの接客が可能になります。さらに、配信動画はアーカイブとして残すことができ、見逃したユーザーへのアプローチにも有効です。

ライブで得たコメントや購入データは、futureshop本体の顧客管理機能と連携してCRMに活用できるため、リピーターの獲得にもつながります。

ecforceのライブコマース対応

ecforceは、D2Cブランド向けのエンタープライズECプラットフォームで、ライブ配信機能は標準搭載されていないものの、「Firework」などのライブコマース支援サービスと連携することでライブ活用が可能です。

動画内に商品リンクを表示したり、ページ遷移なしで視聴を続けられる機能に対応しており、視聴データや購買データをマーケティング施策に活用することもできます。ライブ配信を戦略的に活用したい企業にとって、柔軟性の高い選択肢です。

どのカートが自社に向いている?

どのECカートが自社に適しているかは、導入目的や運用体制によって異なります。

  • SNSとの親和性が高く、スマートフォン世代向けの商材を扱っている企業 → SHOPLINE
  • ECサイト内でライブ配信を完結させたい、ユーザー体験をサイト内で一貫させたい → futureshop
  • データ収集やマーケティング施策との連携を重視 → ecforce

このように、事業の規模やターゲットとする顧客層、商品ジャンル、そして運用にかけられるリソースに応じて、最適なカートを選定することが重要です。

まとめ

ライブコマースは、ECにおける新しい販売チャネルとして今後さらに広がっていくと予想されます。リアルタイムでの接客体験、双方向コミュニケーション、即時購入という三拍子を備えたこの手法は、既存のECに新たな魅力を加える武器になります。

本記事でご紹介した「SHOPLINE」「futureshop」「ecforce」は、いずれもライブコマースに対応しており、それぞれ異なるアプローチで機能を提供しています。導入の際は、自社のビジネスモデルや顧客の動向を踏まえたうえで最適なプラットフォームを選ぶことが成功の鍵です。

今後のEC戦略に、ライブコマースの可能性を取り入れてみてはいかがでしょうか?