ECサイト運営において「商品登録件数」は、ビジネスの拡大とともに増えていく重要な要素です。しかし一部のECカートでは、登録商品数が増えるごとに費用がかさむ「従量課金制」が導入されている場合があり、コスト管理の障壁となることがあります。特に取扱商品数が多いショップや、在庫の種類が多岐にわたる事業者にとっては「商品を増やすほどコストが上がる」という仕組みは避けたいものです。
そこで本記事では、商品登録件数が多くても追加費用が発生しない、コストパフォーマンスに優れたECカートを4つご紹介します。導入や拡張を検討している方はぜひ参考にしてください。
まず理解しておきたいのが、ECカートにおける「従量課金」の対象です。従量課金には、売上や注文数、トラフィック量に応じて発生するものもあれば、商品登録件数が増加することで追加費用が発生するケースもあります。特に後者は、商材数が多いアパレル・雑貨・食品系ECや、多拠点展開・D2Cビジネスを手がける中~大規模ショップにとって見逃せないポイントです。
従量課金が発生しない=「商品を自由に増やせる」ことは、スピーディな展開や柔軟な商品企画に直結します。以下で紹介する各カートは、商品数に制限がない、もしくは追加料金がかからない設計になっており、商品ラインナップの拡張性に優れています。
ecforceはD2C(Direct to Consumer)やサブスクリプション型ECに強いエンタープライズ向けプラットフォームで、成長フェーズに合わせた柔軟な拡張が可能です。大きな特徴のひとつが、商品登録数に応じた従量課金が発生しない点です。ecforceでは、月間の受注件数や売上規模に基づいた料金設計がされており、商品数に関する制限は明記されていません。
また、API連携やMA(マーケティングオートメーション)、顧客データの活用にも優れており、取扱商品が多くてもスムーズな運営が可能です。成長スピードが速いD2Cブランドや中〜大規模事業者にとっては、コストを抑えつつ高機能を享受できる理想的な選択肢といえるでしょう。
Shopifyは世界170カ国以上で導入されているグローバルスタンダードのECプラットフォームで、無料プランでも数千点以上の商品を登録可能です。特に有料プランやShopify Plusにおいては、商品登録数の上限が実質的に存在しないため、商材数が多い店舗でも安心して利用できます。
Shopifyの魅力は、商品登録件数に応じて料金が変動しないシンプルな料金体系にあります。また、外部アプリとの連携によって商品情報の一括登録や更新も可能で、業務効率化にも貢献します。なお、ShopifyではアプリやAPIを介して独自の機能追加も可能ですが、一部アプリは従量課金があるため、その点だけは導入前に確認が必要です。
SHOPLINEはアジア発のクラウド型ECカートで、日本市場にも進出し注目を集めています。魅力的なポイントの一つは、「商品数無制限」でECサイトを構築できる点です。基本料金に商品登録数が含まれており、追加料金を気にせず商品をどんどん追加できる設計になっています。
さらに、SHOPLINEはライブコマースやSNS連携にも強く、商品数が多くても視認性の高いレイアウトでEC体験を演出できます。中小規模の事業者でも始めやすく、販路拡大を目指す上での自由度の高さが魅力です。
BASEは初期費用・月額費用が完全無料で使えることで人気の国内向けカートです。商品数の上限も設けられておらず、無料プランでも多数の商品を登録・販売できます。手軽に始めたい個人事業主やスモールスタートの企業に特に人気があります。
BASEでは売上に応じた手数料が課されるため、商品をどれだけ登録してもそれ自体にコストは発生しません。また、商品登録・画像アップロード・カテゴリ分けなどが非常に簡単で、専門知識がなくても使いやすい点も魅力です。
商品数が多くなることでEC運営が煩雑になるのを防ぐためには、コストだけでなく「管理画面の使いやすさ」「商品管理機能の拡張性」「CSVインポートのしやすさ」なども視野に入れて比較することが重要です。
たとえば、D2Cブランドやマーケティング施策を重視したい場合はecforce、SNSや外部サービスとの連携重視ならShopifyやSHOPLINE、低コストで始めたいならBASEが候補になります。自社の運用体制や中長期的な展望にあわせて、最適なカートを選びましょう。
商品登録件数が多くなると、通常のECカートでは費用がかさんだり、運用上の制約が出てくるケースもあります。今回ご紹介した「ecforce」「Shopify」「SHOPLINE」「BASE」は、いずれも商品数による従量課金がなく、柔軟なサイト運営が可能な点で共通しています。
商品点数が多いECサイトを構築・拡大したいと考えている方にとって、コストを抑えつつスケーラブルな運用ができるこれらのカートは、有力な選択肢になるでしょう。商品登録の自由度が、あなたのビジネスをさらに加速させる鍵になるかもしれません。