見積書発行の機能があるECカート

BtoB(企業間取引)におけるECサイトでは、見積書の発行機能が重要な役割を果たします。取引先の社内承認や価格交渉のために、見積書の提供は欠かせません。本記事では、見積書発行機能を備えた主要なECカート「Bカート」「EC-CUBE」「makeshop」「Shopify」について、それぞれの特徴や活用方法を詳しく解説します。

なぜBtoB ECに見積書発行機能が必要なのか?

BtoB取引では、購入前に見積書を取得し、社内での承認や予算申請を行うケースが一般的です。そのため、ECサイト上で迅速かつ正確に見積書を発行できる機能は、取引のスムーズな進行に不可欠です。また、見積書の発行履歴を管理することで、過去の取引内容の確認や再見積もりの際にも役立ちます。

見積書発行機能の導入がもたらすメリット

  • 業務効率化:見積書の作成・管理がオンラインで完結し、人的コストを削減。
  • 履歴管理:見積内容の履歴をシステムで保存し、迅速な再提案・再見積が可能。
  • 顧客利便性:営業時間外でも見積取得・マイページからの再ダウンロードが可能。
  • 合意形成の円滑化:複数担当者での確認・承認プロセスを支援。

Bカートの見積書発行機能

Bカートは、BtoB取引に特化したクラウド型のECカートシステムです。見積書発行機能を標準搭載し、以下の特徴があります。

  • 管理画面からの見積作成:受注管理画面から新規見積書を作成。未登録商品も見積可能。
  • PDF出力:作成した見積書をPDFで出力し、メール添付やマイページからダウンロード。
  • 有効期限設定:見積書に有効期限を設定し、期限切れを自動無効化。
  • 見積履歴管理:過去の見積書を一覧で管理し、再発行や内容確認が容易。

発行から管理まで一気通貫で運用でき、スピーディな対応を実現します。

EC-CUBEの見積書発行機能

EC-CUBEはオープンソースのECプラットフォームで、カスタマイズ性の高さが特徴です。見積書発行はプラグイン活用または独自開発により実装可能です。

  • カートからの見積発行:ユーザーがカート~確認画面で「見積書発行」を選びPDFを取得。
  • マイページ再発行:会員はマイページから過去の見積書を再ダウンロード可能。
  • 受注データ連携:見積情報を受注データとして保存し、管理者側で確認・管理。

自社フローに合わせた柔軟な拡張が可能で、複雑な承認プロセスにも対応しやすい構造です。

makeshopの見積書発行機能

makeshopはクラウド型ECカートで、「BtoBオプション」により見積書発行を標準機能として利用できます。

  • 管理画面での見積発行:受注前の商品情報から見積書を作成し、PDFで出力・メール送付。
  • 見積一覧管理:見積書を一覧で検索・編集・再発行。顧客名・発行日で絞り込み可能。
  • 注文への変換:発行済み見積をそのまま注文データへ変換し、後続処理を効率化。

追加開発不要で短期導入に向き、BtoB対応をスピーディに強化できます。

Shopifyの見積書発行機能

Shopifyは豊富なアプリと柔軟な拡張性が特徴。標準の見積機能はありませんが、以下で対応可能です。

  • Draft Order(下書き注文):管理画面で見積相当の明細を作成し、メール送信。顧客はメールから支払い可。
  • 見積リクエスト系アプリ:「Request a Quote」等で商品ページに見積依頼ボタンを追加し、BtoB運用を強化。

段階的に機能拡張できるため、スモールスタートから高度運用まで発展させやすい選択肢です。

まとめ

BtoB ECサイトにおける見積書発行機能は、取引を円滑に進める上で不可欠です。Bカートは見積作成~管理までを標準でカバーし迅速な対応に強み。EC-CUBEは高いカスタマイズ性で自社フロー最適化が可能。makeshopは見積から納品書・請求書まで一元管理し、BtoB業務の効率化を支援。ShopifyはDraft Orderや見積アプリ活用で柔軟に拡張できます。

自社のニーズ・業務体制・開発リソースに応じて最適なカートを選定することが、BtoB EC成功への第一歩となります。